インド旅行記 アーグラ 1 シティポリスに出会う

今日はアーグラーまで電車で行きます。

 

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インド旅行記 ニューデリー7 外国人チケットオフィスは酷い!

 

ニューデリー駅の構内に入って

プラットフォームが分からなかったので駅員に聞いてみると

驚く事に駅員がみんな英語をしゃべれません。

 

仕方なくチケットに書いてある番号の

それらしいホームに行って掲示板を見ると

どうやらアーグラー行きの列車が来るようでした。

 

確認の為に眼鏡を掛けた髭のインド人に話しかけてみると

彼は英語がペラペラで、今居るホームがアーグラー行きであると確認出来て、ホッとして電車を待ちました。

 

予定時間になっても電車が来る気配がないので

そのインド人に聞いてみると電車が遅れているらしいです。

 

後から解った事ですが

インドの鉄道は1時間遅れなんかは普通で

むしろ予定通り電車が来るのはまれだとか。

 

結局1時間遅れで列車が到着しました。

 

電車に乗ってしばらくすると弁当売りが回ってきました。

 

弁当の中身を聞くと、チキンとベジタブルの2種類です。

 

インド人はベジタリアンが半数近くという程だから

肉無しのメニューは必須という事なんでしょう。

 

値段を聞いてみると(110ルピー)。

 

試しにとチキンの方を買ってみました。

その弁当は予想外に(カレー)でした。

 

このインドではよくただ単に「チキン」とか「ベジタブル」と呼ぶことが有るんですが

その場合はカレーを省略しているんです。

 

インド人にとってカレーは当たり前という事なんでしょう。

 

食べてみるとごはんにカレーがよく染み込んでいて

これが意外に美味しかった。

 

私の前に座っているおじさんが弁当を食べ終わると

電車の窓から食べ終わった容器を投げ捨てました。

 

私はおじさんのマナーに驚いて

食べ終えた弁当の空容器を持て余して

アーグラーまで持っていくのも何だかとても煩わしく思えてきてました。

前のインド人のおじさんにジェスチャーで
「投げても良いのか?」と聞いてみると彼は

首を斜めに振って「もちろんだ」と言った感じです。

 

生粋の日本人の私は何だかとても悪い事をしているようで

ドキドキしながらも窓から容器を放り投げると

意外とすっきりしました。

 

そして外を見ると線路の横には沢山のゴミが落ちています。

 

これがインド流という事なのでしょうが

やはり日本人はゴミはゴミ箱以外に捨てないという

素晴らしい習慣を貫くべきだと今では思っています。

 

電車に揺られる事2時間程で

アーグラーカント駅に着きました。

銃を持った恐らくは警察官が

オートリキシャのチケット購入の受付していました。

 

私はこれならボラれる事はないだろうと

安心してチケット購入すると

早速ホテルが有るタージマハルの南門まで行きます。

 

南門の付近に到着すると

オートリキシャのドライバーは何故か

(30ルピー)と言って手を出しています。

 

これはいつもの追加要求です。

(もうこれはインドの社交辞令です)

 

料金はすでに払ってあるので無視してホテルに向かいます。

このやり取りもすっかり慣れてきました。

 

 

南門近くのゲストハウスが在ったので

今日はそこに泊まることにしました。

一泊(250ルピー)

 

ホテルに荷物を置いて

早速市内の散策する為に西方面に歩く事にします。

 

少し歩くと大きな公園(シャジャハーンパーク)

が有りました。

入ってみると

地元のインド人達がクリケットをしたり散歩をしています。

地元インド人の寛ぎの場になっていた。

そこで茶色い柄の派手なワイシャツにスラックスという

フォーマルだが違和感のあるインド人が話しかけてきました。

 

彼は「自分はインド政府の仕事をしている者だ」との事。

これは詐欺師が使う"お決まり"のフレーズです。

 

ニューデリー同様アーグラーにも

詐欺師がスタンバっているという事です。

 

もちろん無視して公園を歩きます。

 

ちなみに彼らの目的はもちろん偽旅行会社の斡旋です。

 

実際の政府職員は昼間から公園でフラフラして

観光客に話しかける程暇ではありません。

 

アーグラーにもニューデリーの様に偽の旅行会社が存在します。

 

それは有名な「RAJTRAVEL」という

旅行会社と同じ名前で営業していて

 

FATEFABADロード)沿いにあるので要注意。

 

公園で子供たちが話しかけてきたので

ベンチで色々と話していると、一人の男の子が

「持っている携帯はいくら?」だとか

「親がやっている店に来てくれ」とか

しきりに私に興味を持っている様でした。

 

高々10歳位の子が、商売人のように金銭に興味を持っている事に私は深く感心しました。

 

ある意味もう既に詐欺師の端くれみたいになっている。

 

子供たちと別れてまた公園を歩きだして

屋台で軽食を売っていました。

試しに1つ買ってみました。

固いせんべいの様なものの中に豆が入っていて

それにタレを付けて食べるというものでした。

 

食べてみると、タレが事の他辛くてしびれました。

 

これは私の主観ですが

インドの軽食は総じて日本人の舌には合わないです。

 

公園を抜けて再び歩いていると私好みの

"ローカル色の強い"(庶民的な)通りが有ったので

そこを散策していると、お店が並ぶ通りが有り

床屋や鳥のから揚げ等を売っている店等が並んでいました。

 

それにしても本当に発展が遅れているとつくづく感じます。

 

さらに歩いていると民家が有り

2階の窓から女性が笑顔で手を振ってます。

 

気を良くして私も手を振り返しました。

 

私は床屋を発見して入り口まで行って値段を聞いてみると

スタッフの男性には英語が通じず、良く分かりませんでした。

 

そしてしばらく散策を終えて道を戻っていくと、再びさっきの2階の女性がまた手を振ってきたので、私も返しました。

 

これは帰ってから解った事ですが

どうやらここは女性とベッドを共にするサービスを提供している場所であったようです。

 

帰り道に小学校の脇に露店で

アイスの様なものを売っていたました。

買ってみると、それが全然アイスではなく

めちゃくちゃ甘いゼリー状のお菓子でした。

 

余りの甘さに一口かじっただけで

それ以上は食べられませんでした。

 

また別の露店で見たことのないお菓子を売っていたので

買ってみました。

ビーフンの様なものにパフやらいくつかの具が入っています。

味は不思議な味で美味しくはないです。

 

さっきの甘すぎるゼリーとビーフンの様なお菓子を両手に持って、捨てる場所を探しながら歩いていると

丁度そこに小さな男の子と女の子が私の目の前に来て

手を出して頂戴というポーズをしてきました。

 

私は"渡りに船"で女の子に甘すぎるお菓子を全部あげて

男の子にはビーフンの様なお菓子をあげると

女の子は笑顔で走って行って、男の子は袋の中を除くと

まだ沢山入っているお菓子を見て声を出しながら目を見開いて喜んでいた。

 

あの男の子の飛び切りの笑顔は未だに忘れられません。

 

散策を終えた私はホテルに戻って

少し休んでから夕食を採りに出ました。

 

ガイドブックに載っている南門近くの

トリート)というレストランに行きます。

店主はガタイの良い髭のおじさんで

英語が流ちょうに話せるので助かりました。

 

私は焼肉定食を頼むと

何と8歳位の男の子が調理を始めました。

 

聞くとその子は息子では無く親戚の子だとか。

 

料理が来てみると想像と違って

そぼろ状の細かい肉が出てきました。

味は不味くは無く旨くも無いです。

ただインドでは大分良い方だと思います。

 

店内のお客は私1人だったので

のんびりと飲み物を飲みながら店主と話しをしました。

 

私は店主に

「インドは詐欺師が多すぎる、何で警察はあいつらを捕まえないんだ?」

と割とお決まりになっている私の不満をぶつけると

店主は「警察の中にはあいつらの仲間も居て、金を貰っているから捕まえない」との事。

 

そして店主がこの前に日本人夫婦を助けた話をしてくれた。

 

話の内容は

この前日本人夫婦がデリーからこの店に来た時に

その日本人夫婦曰く

「旅行会社に行くとスタッフが今日は"フェスティバル"が有るから、電車は動かない。だからプライベートカーでアーグラーまで行くように組まされた」という事でした。

 

しかもその値段が"片道400ドル"というから驚きです。

 

それを聞いた店主が

「それは嘘だ!私が金を取り返してやる!」と言って、日本人夫婦を迎えに来るドライバーを待って、来たところを店主とそのドライバーで直談判したところ、そのドライバーも断固返金に応じず

店主は「その場で警察を店に呼んだところ、ドライバーの態度は豹変してすぐに"300ドル"を日本人夫婦に返金したとの事でした。

 

ちなみに日本人夫婦のニューデリーまでの帰りの便の電車は

店主が代行して手配して

たったの"300ルピー"(50分の1)というから笑ってしまった。

 

私はその話を聞いて同じ日本人として嬉しくなって

「あなたはシティポリスだ!それは一般市民のプライベートポリスで、あなたは強い正義感を持っている真のインド人だ!」と私なりの精一杯の称賛を与えました。

 

 

そしてホテルに戻ると白髪の長い髭を蓄えた老人が

私に声をかけてきました。

 

彼はホテルの中に自分の骨董品の店を営んでいた。

 

彼は私にちょっと来てくれというふうに

手招きをすると店に入っていきました。

 

私は警戒しながらも

店には老人以外は誰も居なかったので、変な気配がしたら直ぐに店を出れば良いか、と考えて店に入りました。

 

老人はアルバムを取り出すと開いて私に見せます。

 

アルバムには世界中の紙幣が入っていて

驚くことに日本の"五百円札"等の旧紙幣もいくつも有りました。

 

私が驚いて「これは凄いコレクションだ」と言って絶賛すると

老人は「今日本円を持っているか?」と聞いてきます。

 

私は一瞬で"詐欺師"を見分けるアンテナが反応しました。

 

私はとっさに「無い」と答えます。

老人は「今の日本円が無いから持っていたら両替して欲しい」と言ってきました。

 

そう、彼の十カ国以上もの紙幣のコレクションには

現在の日本紙幣が無いのです。

 

私は彼に

「今の日本紙幣が欲しければ両替屋で簡単に手に入る」

と教えると老人は

「だがレートが悪い、私なら良いレートで両替するよ」と言っています。

 

そう、彼は"両替"がしたかった訳です。

 

彼の最終目的が判明すると、私は店を出る事にしました。

 

 

それにしても何ていう手の込んだ詐欺でしょう。

厳密に言うと詐欺かどうかは今の段階では分かりませんが

あれだけ世界中の紙幣や、入手困難な旧紙幣を持っている人間が、市内でも簡単に手に入る

(日本紙幣)を持っていないのはどう考えてもあり得ません。

 

あれは"コレクターだから紙幣が欲しい"というハッタリである事は間違いないでしょう。

 

恐らく最終的なテクニックは両替の際にレートギャップで利ザヤを得るか、偽札を渡すかのどちらかでしょう。

 

あの紙幣コレクションにしても全て偽物の可能性も十分にあります。

 

何故ならここは詐欺大国インドだからです。

 

 

私が「もう帰ると」言ったら今度は私の靴を見て

「ハウマッチ?」と聞いきました。

 

インド人にもレッドウィングの良さは解るらしいです。

▼その時の私の靴

この靴はアメカジで有名で一応3万円以上します。

 

私は彼に「16000ルピー」と言うと

彼は「"100ドル"でどうだ?」と言ってきました。

 

人の靴なんか買い取ってどうするのか

全く意味が分かりません。

 

恐らくこれも何かの罠が待っている事は用意に想像できる。

 

私は「ノーサンキュー」と言うと彼が今度は

「130ドルでどうだ?」と最後に言っていた。

 

どこにいてもこんな連中ばかりで多少うんざりしますが

それがまた今のインドらしさとも言えます。

 

私はホテルの部屋に戻って

その日はのんびりと明日のタージマハルの情報を見ていました。

私は基本的には博物館やお寺系は興味がないので

基本スルーですが、流石の私もあの

世界一美しいお墓"と言われている

インド最高の世界遺産を見ない程一般素養を捨ててはいないので見に行ってみます。

 

 

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