さて今日はダージリンを目指して
バルダマン→ニュージャルパイグリ駅と移動します。
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さてウェイティングリスト(キャンセル待ち)
76番というチケット買った私は
ニュージャルパイグリまでの寝台列車で席が取れるのかという
不安を持ちながら電車を待っていると
発車1時間程前になって駅員がホームの壁に紙を貼りました。
その紙には乗車可能なウェイティングリスト番号が乗っています。
私は目を凝らして自分の番号を確認します。
しかし、そこには私の座席番号はありませんでした。
他の人に聞いて確認すると、やはり私の席は取れてないらしいです。
そして電車が来ると黒服鉄道員に聞く間もなく、何故かこの時はやけに早く電車が出発してしまい
鉄道員は「早く乗れ」と言うので、私は自分の席も分からずに電車に飛び乗りました。
そしてスタッフに聞くとやはり私の席は取れていなく、500ルピー払えば、特別枠に乗せてやるとの事。
その特別枠は"ティティ"というAC(エアコン)の席なのだとか。
それにしても(300ルピー)で買ったチケットに何で
"500ルピー"も追加で払わなくてはならないのか、納得がいかず
「私はジェネラルに行く」と言うと、鉄道員は首を横に曲げて
"勝手にしな"と言った感じでした。
そして私はジェネラルに行くと、こちらでは夜10時〜朝6時までは寝台にして良いらしいです。
私は空いているシートが無いか探すと、2段の寝台の上も含めて席は全て埋まっています。
私は何とか下の寝台席で寝ている男が、足を曲げていたので、その猫の額程の空いたスペースを発見してそこに座りました。
こうして私は本当にバルダマンからダージリンのニュージャルパイグリ駅までの約8時間を座って過ごすハメになりました。
座ると言ってもシートに背中を預ける訳では無く、自分のリュックを背もたれに座っているだけなので、かなり疲れました。
1時間位ウトウトした程度でニュージャルパイグリ駅に到着しました。
ちなみにインドではこれが一番キツイ電車体験でした。
私は一応駅員にスリーパークラスを買ったが、ジェネラルにしか乗れなかったので、差額を返してもらえるのかと聞いてみますが、駅員は首を横に振って「ノー」と言っていました。
ニュージャルパイグリ駅を出て乗り合いジープを探すと
ガイドブックでは150ルピーと書いてあったのですが、ドライバーは皆200ルピーとの事。
何人に聞いても同じ値段でディスカウントは出来ないとの事でした。
仕方なく乗り合いジープに乗ると10人の客を乗せたまま、ジープは走り出しました。
途中1人を乗せて前、真ん中、後部席共に四人ずつの運転手を含めて12人が乗車してもうギュウギュウのすし詰め状態。
そして私の右隣はバングラディシュ人で英語が堪能でした。
なんでも彼の親戚が日本で暮らしているとか。
私は昨日の電車の席の話をすると、彼曰く外国人用のチケットセンターでチケットを取れば、優先的に席を手配してくれると。
まあ彼も私がバルダマンというローカルエリアから来たとは思っていないんでしょう。
バルダマン駅に外国人用の窓口はありませんから。
私は予めガイドブックを見ていたので
ニュージャルパイグリ駅からダージリン駅までは約25キロと知っていたので
"歩けば半日で着ける"だろうなんて思いながら、ジープに乗っていると、とてもじゃないが徒歩では行けるレベルじゃない事がわかりました。
何故ならダージリンまでは山を越えていくために、ほとんどの行程が急な上り坂を経るので、平地ではありません。
恐らく徒歩では丸一にかかるか、それ以上でしょう。
ほとんどアトラクションに近い酷いドライビングを3時間程味わって、ジープはダージリン駅近くのジープターミナルに停車しました。
随分と長い時間をかけてやっとの事でダージリンに到着しました。
一旦ダージリン駅で明日の"トイトレイン"のチケットを買いに行きます。
ここは観光ポイントなので席が空いているかどうか不安でしたが、運良く往復のチケットを買う事が出来ました。
恐らく今はオフシーズンだからでしょう。
……それにしてもダージリンは寒い……。
20度は軽く下回っています。いや10度前後といった所でしょう。
こんなに寒いインドは初めてです。
辺りの人達を見ると明らかにインド人とは違い、日本人に近い顔立ちで若干日焼けした様な感じです。
そしてみんなコートやダウンジャケットを来て、首にマフラーの用なものを巻いて、頭にはウールの帽子の様なものを被っています。
まるでネパールに来た様です。
以前ニューデリーで会った50代の日本人男性が言っていた事を思い出しました。
インドとネパールの国境は勝手に引かれた様なもので、実際には国境付近に沢山のネパール人が住んでいるとか。
なるほどそう言う事か。
そしてガイドブックに載っているゲストハウス(ロングアイランド)を探す事にしました。
このダージリンほとんどの道が坂道です。
行く先が登りだったら10分も歩けば立派なトレーニングです。
しかもダージリンは高所だから低酸素で心肺機能も高められます。
歩いているとガスタンクを背負って坂を上っている人を見かけました。
これは相当ハードな仕事です。
私が背負っているリュックがせいぜい7キロ位、あのガスタンクは軽く見ても2、30キロ近くはありそうです。
しかも中には2つ背負っている猛物も居ます。
すでにアスリートの領域と言ったら大げさですが、私にはとても不可です。
しばらくゲストハウスに向かって歩いていると、私は困惑しました。
ガイドブックに有るダージリンの地図は何故か、道路表示がいい加減で、実際には分かれ道が沢山有るのですが
地図には乗っておらず、ただでさえ方向音痴の私は迷ってしまい、結局当初の(ロングアイランドに)到着できませんでした。
そしてようやくゲストハウスを発見しました。
パンディムゲストハウス。
値段を聞いてみると安くて部屋も綺麗です。
ここに宿泊を決めました。
後でわかったのですが(ロングアイランド)は、ここのゲストハウスのすぐ近くでした。
そしてこの時初めてスマートフォンのグーグルマップを、オフラインで利用できる方法を知りました。
このグーグルマップを実際に使ってみると非常に分かりやすく正確で、今まで見ていたガイドブックの地図と比べると、天と地の差です。
こんな便利な機能が有ったのに知るのが遅すぎました。
"苦労は人を賢者にする"と言う事でしょうか。
ゲストハウスのオーナーはネパール系の顔立ちのおじさんです。
そこにはわんぱくなシーズー犬が居て、改めてシーズー犬の人懐っこさと可愛さを実感しました。
オーナーのおじさんはホットウォーターは(30ルピー)との事。
私はそんなものは必要無いなと思いながら、部屋に入って休憩を終えて
オーナーに駅までの艱難な地図を書いてもらって、駅まで歩いてみましたが、やはりオーナーの地図はさっぱり分かりませんでした。
ただ途中の電波棟と時計棟が有り、その下にダージリン駅が有るのは良く分かりました。
部屋に戻る途中、ゲストハウスの近くに有るミドルクラスのレストランに寄って夕食を採ります。
このお店はタンドリーチキンが美味しいらしいです。
今日は豪華に行きます。
ビール。
タンドリーチキン、ハーフ。
そしてトムヤムクンスープ。
全部で確か550ルピー位。何とも豪遊した様な気分でした。
アジアの物価の安さを利用して、豪華な気分を味わうのは途上国旅行の醍醐味ではないでしょうか。
そして店内の大型モニターにはセリーヌディオンのライブ映像が流れています。それまでそんなに意識しませんでしたが彼女の歌に魅了される人の気持ちがわかりました。
久々の豪華な食事に満足して部屋に戻りました。
そしてシャワーを浴びようかと水を出すと
「……うっ……冷っ!」
さすがにこの氷水の様なものではシャワーは厳しいです。
なるほど、オーナーが言っていた"ホットウォーターサービス"とはこう言う事かと理解しました。
仕方なくフロントに行って、ホットウォーターを頼みに行こうとすると、既にフロントへ行く扉には鍵がかけられています。
時間を見ると夜の8時を少し回っていました。
そこでオーナーの言っていた言葉を思い出します。
「ホットウォーターが欲しい時は夕方6時までに言ってくれ」
私は翌朝にシャワーを浴びる事にしました。
それにしても室内が寒い……。
辺りを見ても暖房器具の類は見当たりません。
ベッドには毛布が置いてあるだけです。
仕方なくそのまま就寝する事にしました。
ベッドの中でひたすら(ダージリンは寒い……)
というフレーズが頭にこだましていました。
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