今日はバラナシ行きのチケットを買いに
アーグラーカント駅に行ってきます。
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鉄道予約オフィスの行くと
5,6人が並んでいました。
並んでいると鉄道員が
「ジャパニーズが先だ」と言って何と私を優先的に受付してくれました。
恐らく初めて日本人である事でのメリットを享受できたのではないでしょうか。
そして受付でバラナシ行きのチケットを頼むと
なんと今日も満員だとの事。
私は「他のクラスでは空きは無いか?」と尋ねると
AC(エアコン)の寝台車なら空きが有るという事でした。
若干割高になりますが私は席を予約しました。
値段は1005ルピー(2010円)
1番安いSLクラスなら恐らく
500ルピー位です。
アーグラーからバラナシまでは
たっぷり12時間位かかるので
ACの寝台車の方が日本人には良いでしょう。
朝一でやってきたのでまだ朝の10時を少しまわった位で
22時出発のバラナシ行列車の出発まで
まだたっぷり12時間も有ります。
その間をどうやって過ごそうか思案して
丸1日分有るので何処か観光するのがベターでしょうが
遺跡のたぐいは気が乗らないし
昨日7キロ位歩いたのでもう長歩きもしたく無いので
もちろんリキシャの連中と面倒な交渉をして
どこかに行く手も有るのですが
ガイドブックを見ると遺跡を除いて
正直これと言った観光ポイントも乗っていません。
そこで私はお金も節約できる事から
駅周辺で12時間をやり過ごす事に決めました。
余談ですが不思議とインドに居ると
物価感覚がインド人みたいになってきてしまいます。
ですが冷静に考えればオートリキシャに乗っても
距離にもよりますが約(100ルピー)前後
日本円にしてたったの(2百円)
食事も庶民的な店だと大体(60~100ルピー)位。
なので今思えば
もっと色んな所に行っておけば良かったと後悔しています。
私は駅の中に入ってウェイティングルームを見つけて
チケットを掲示すると、そこで休憩する事が出来ました。
何とそこにはホットシャワーの設備まで有ります。
でもウィテイングルームの角には客が食べ残しを捨てる為か
ゴキブリが沢山居て気持ち悪いので中央の席に移りました。
電車の発着を確認する為のモニターには
何故か私が乗るバラナシ行きの便は乗っておらず
仕方なく色々な人に聞いてどうやら3番のプラットフォームだという事が分かりました。
私はそこで待つ事にしました。
しばらくしてバラナシ行きの電車が来ました。
電車を確認すると自分の番号は無く
鉄道スタッフに聞いて(WL)が
"ウェイティングリスト"
(キャンセル待ち)であると私は初めて知りました。
鉄道員に聞いて電車に乗り込むと
シーツと毛布に枕までが用意されていてとても嬉しかったのですが
次の瞬間足下にはゴキブリが何の警戒心も持たずに
のそのそと歩いていたので気が重くなります。
電車が発進すると次の目的地であるガンガー(ガンジス川)
を夢見て就寝しました。
電車内で揺られながら起きると、もう朝になっていました。
丁度空腹だったところに社内販売の物売りが来たので
私はパンを買う為に販売員の男に100ルピー渡すと
髭を生やした若いインド人の売り子は100ルピー札を見て
「破れかかっているからオフィスに確認する。後で50ルピーのおつりを一時間後に返す」
と言ってそのまま居なくなりました。
確かに私の渡した紙幣は破れかかっていました。
しかし何時まで経ってもその売り子は戻って来ずしばらくして私は"やられた"と騙されたことを確信しました
金額にしてたったの100円(笑)なんですけど騙された事と、次の被害者を出さない為にと出来る限りの行動を起こす事にしました。
そこで私はシーツや枕等を配ったりしている
鉄道スタッフにその事を話すとその人が英語の分かるインド人を探してくれたので私の話をその人に通訳してもらいました。
するとそのスタッフは私に付いて来いと言うので
行くと6車両位を抜けて2人の男に話をし始めました。
すると1人の若い男が電話をして何やら話しをしています。
しばらくして
どうやらあいつはもういないと分かったようでした。
そしてすぐに別のもう一人の男が
財布からお金を数えて私にお金を返金してくれました。
私は連れて来てくれた男と、返金してくれた男と
電話してくれた男3人にそれぞれ握手して礼を言うと再び自分の座席に戻りました。
この時私はつくづくインド人に対しての先入観を改めました。
今まで散々インド人に対して悪いイメージを持っていた訳ですが、実際のインド人は皆親切です。
ただその中に観光客に対して小遣い稼ぎや
詐欺を生業にしているインド人が混じっている為に
インド人 = 悪い
という偏ったイメージが出来てしまう事は考え物です。
電車がバラナシに着くと私は例の毛布やシーツを回収している鉄道員に両手で握手をして
「サンキューマイベストフレンド」と精一杯の感謝を示しました。
彼は笑顔で顔を横に振る
インド人特有のジェスチャーで答えてくれました。