インド旅行記 コルカタ 1 詐欺師サダルと出会う偏

 

バス12時間程のロングランで

コルカタに到着しました。

 

文章で書くと一瞬ですが、12時間はかなりこたえる長さです。

 

それでも寝台なので比較的楽に過ごす事ができました。

 

 

バスを降りると早速インド人の男が話しかけて来ました。

 

私はてっきりバスのスタッフかと思って話しを聞いていると

その男はタクシーの運転手でした。

 

バスからツーリストが下りるのを待ち構えているのを見ると

間違いなく達の悪い詐欺師です。

 

しかもその男は

「お寺もホテルもここから100キロは離れている」

と大嘘を付いて、何とかタクシーに乗せようと必至です。

 

仮に100キロ以上走るのであれば、相当の金額になってしまいます。

 

それにしてもそんなくだらない嘘で

信じて付いて行くツーリストが居るのかは疑問ですが

やはりああして続けている以上は居ると言う事でしょう。

 

ちなみにバスで来ると必ずこの

(エスプラネード)バスターミナルに着く事になります。

 

ここからはインド博物館が近くに在り

そこからサダルストリートに行くのがツーリストの一般的なルートです。

 

徒歩で約20分程でサダルストリートに着くと

早速ガイドブックに載っているゲストハウスに行ってみました。

 

するとこの辺りで有名なゲストハウスである
"パラゴン"や"マリア"はワイファイが使えないという事が分りました。

 

それがネックになって近くの別のゲストハウス

"ツーリストイン"に行ってみると、満室でした。

 

そして他のホテルも何軒か聞いてみると、意外と満室が多いです。

コルカタのホテル需要は相当なものだと実感しました。

 

 

結局価格面でパラゴンに1泊する事にしました。

 

パラゴンは今まで泊まったゲストハウスの中では

最低の部屋です。

 

狭さも今までで一番狭いし、かなり汚ないです。

 

天井のファンも今にも落ちてきそうです。

 

それに加えて部屋の鍵をかける為の受け金具部分が

小さなネジみたいなもので簡単に止めてあるだけで

私の力でも本気で引っ張ったら壊せそうです。

 

また内鍵もしかり、すぐに壊れそうな取り付け方です。

 

私は部屋が汚かったり小さいのは許容範囲ですが

セキュリティー面だけは本当に心配です。

 

 

外出して帰って来たら荷物やお金がなくなっていたら

シャレになら無いからです。

 

まあそんな事を言ったら

だったら最初からそんな安宿を取るなと、突っ込まれてしまいそうですが

 

 

取りあえず部屋を確保した私は

荷物を置いてコルカタの繁華街を散策する事にしました。

 

少し歩いたところで、若いインド人が日本語で話しかけてきました。

 

彼は"サダル"という男です。

 

 

彼が言うには今仕事はしていなくて

日本に行きたいと。

 

そしてその為には日本人の助けが必要だとか。

 

それにしてもそんな簡単にインド人の受け入れ先になる

ツーリストの日本人が居るとも考えにくいのですが

彼が言うには友達は既に日本に行っていると言って

私に写真を見せてきます。

 

私は彼に気を付けながら

適当にコルカタの面白い場所等を聞いてみます。

 

私は時々こうして怪しい奴と

敢えてコミュニュケーションを取ってみたりします。

 

何故ならこう言う連中でも

たまには有益な情報を提供してくれたりもするからです。

 

もちろん深入りは禁物ですが。

 

その辺の引き際を分かっていればこう言う連中は無害です。

 

そして私はガイドブックに載っている香港飯店に行くと

店は閉まっていました。

 

何でも火事があって今はやってないとか。

仕方なく他を探そうとすると

サダルが安くて美味しい場所があると言うので付いて行くと

そこはずいぶんと賑わっていて

皆食べているのがチャーハンのようなフライドライスで

(値段は85ルピー)

食べてみると本当に美味しかったです。

 

インドでもチャーハンだけは外れが無いと感じました。

 

私は安くて美味しいレストランを紹介してくれたサダルに

若干の信用を感じました。

 

そしてその後サダルが

「セクシーなインド女性のダンスを見ながら、ビールを飲めるバーが近くに在るから行ってみないか?」

言ってきました。

 

私は取り合えず見るだけでもと思いながら行ってみると、驚く事に本当にそういった店でした。

 

インドではこういったお店は初めてなので、かなり衝撃です。

 

私は面白そうなのでサダルを連れて店に入ると

ドリンクを頼めば、その他の追加の費用は無く飲めるとか。

 

早速私とサダルの二人分のビールを2本頼みました。

 

もちろんサダルの分は私の奢りになります。

ビール1本(270ルピー二つで540ルピー)

2時間程インド女性のダンスを楽しんでビールを飲みました。

 

会計時に550ルピー渡すと、スタッフは顔を横に振っています。

 

おつりが無いのかと思い

ぴったり540ルピー渡すと再度首を横に振っています。

 

サダルに聞くとこの店の習慣らしく

多めに渡しておつりはチップと言う事らしいです。

 

仕方なく600ルピー渡して何とか会計を済ませました。

 

インドではこういった店は珍しく

とても貴重な体験が出来ました。

 

私1人では間違いなく探す事は出来ません。

 

こういったローカルな情報を持っているからこそ、地の人間は時には有用です。

 

サダルはこうして日本人を色々な所に連れて行って

自分もただ酒にありつき、たまにはチップでももらっているのでしょう。

 

店を出て私はサダルに

「良い体験が出来て嬉しいよ。ありがとう」

と礼を言うと

サダルはさらに違う店も紹介出来ると私を誘って来ました。

 

その店とは何でもビールを飲みながら

女性が目の前で踊りを披露してくれて

その後事に及ぶというスタイルらしいです。

 

2時間で(10000ルピー)とか言っていました。

 

当然そっちはお断りしました。

 

これ以上深入りは良く無いというのが私の判断です。

 

そしてバーを出てサダルがまた一緒に行こうと言っていたが

私は「もうここで良いよ」と言って分かれました。

 

彼は不満そうに

「まだ私が信用できないのか?」

と言っていますが、あんな奴信用できる訳がありません。

 

念の為に言っておくと旅慣れている人ならともかく

むやみにインド人に付いて行かない方が良いという事を

言っておきます。

 

私はその日はほろ酔い気分でゲストハウスに帰って就寝した。

 

 

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