さて今回は、バラナシに在る伝説の日本人ゲストハウス
久美子ハウスをレポートします。
▼ 前回の記事はこちら
前回から4年ぶりのバラナシ再訪です。
私が前回バラナシに来た時は、久美子ハウスの存在は知っていたものの、地球の歩き方を見てラジャ・ゲストハウスを利用しました。
しかし帰国後、久美子ハウスのクミコさんの記事を見て、バラナシで長い事宿を営んでいて、バックパッカーの間でも
既に伝説と化している事を知りました。
そこでなんとしても久美子さんにお会いしたくなって、今回のバラナシ再訪になりました。
ブッダガヤからバラナシへ電車に乗って、4時間程で到着しました。
電車の車窓からガンジス川の川岸がライトアップされています。
バラナシ駅から、ゲストハウスが密集する場所までは、結構距離があります。
その為にガンジス川近くまで行くには、まずゴードウリャーまで行く事になります。
私はバラナシ駅からシェアタイプのオートリキシャで、行く事にしました。
価格は20ルピーです。
しかしオートリキシャのドライバーは、ゴードウリャー迄は行けないらしく、1キロほど手前で降りる事になりました。
なんでも降りたところからは5ルピーで、ゴードウリャーまで行く事が出来るという事でしたが、私は歩きました。
4年振りのバラナシは大分通りのお店が増えて、人通りも多くなったように思えました。
交通状況は相変わらず滅茶苦茶で、酷い渋滞の中、車にバイクやリキシャに通行人が、お互いに1センチ程度の隙間でひしめき合いながら、少しずつ進んでいます。
ゴードウリャーまで来ると、ガンガー迄の道路を大規模工事している最中で、凸凹の未舗装路を歩いて行きます。
また相変わらず日本語で声をかけてくる、怪しいインド人が話しかけてきます。
「何処へ行くの? 宿は決まっている?」
私は彼らにはもうすっかり慣れっこです。軽く言葉を交わし笑顔で
「Thank You my friend I have a Room already」と言って肩を叩くと、彼らは笑顔で去っていきます。
ちなみに
‶マイフレンド‶とはインドで一般的に使用されている、フレーズで、若干親しみがこもった呼び名です。
このフレーズを知っているという事は、インドに精通しているというのが相手にもすぐに伝わるので、こいつからはボレない。
という感じを与えるのと、第一印象の外側のコミュニティに属した外国人、というイメージから、内側の人間でフレンドリーという意識に変わります。
少し歩いてガンガーへ出ると、4年前と同じ風景に不思議な安心感が出てきます。しばらくガンガーを見て、本来の目的である
‶久美子ハウス‶へ向かいます。
ベンガリトラロードを南に5分程歩いて
壁に久美子ハウスの案内板が出てきました。
その小道を左に曲がってガンガー川に進んで、突き当りを右に曲がると、別のゲストハウスが在ります。
そこをさらに、左に曲がると左側に在るのが
‶クミコハウス‶です。
小さな門を開いて中に入ると、受付にはあの久美子さんがいらっしゃいました。
私は嬉しくなって、久美子さんにお会いしたかった旨を伝えると、久美子さんは疲れているのか、少し不機嫌そうでした。
また、今はベッドが無いとの事でした。
私は部屋が空いていないのかと思ったのですが、そういう事では無く、久美子ハウスのドミトリールームには、ベッドに加えて床で寝るスペースが有るらしく、そこでなら泊まれるという事でした。
久美子さんは私に
「寝袋は持っている?」と聞かれたので、無い事を伝えると寝袋とマットを貸してくれて、それを三階迄持って行くようにと、言われました。
また久美子さんは念を押すように
「チェックアウトの際は必ず寝袋を3階に置きっぱなしにしないで、1階まで持って来て」
と仰ってました。
後で聞いたのですが、久美子さんが3階迄まで上がって行く事は、滅多になくて体に非常に負担がかかるという事でした。
私は寝袋を持って3階に上がりました。
ドミトリーの部屋の宿泊者たちに挨拶して、端っこの方の床に寝られるスペースを確保しました。
ちなみに宿泊者用のマットと枕は、綺麗ではありません。
まあインドの格安ゲストハウスではよくある事ですが。
クミコハウスですが、ドミトリーの他にシングルルームも有ります。
ドミトリールームのマットや枕は、一般的な日本人ではとても利用できる様な衛生環境ではありませんが
(※ 率直に書いてしまい、久美子さんごめんなさい)
シングルルームならベッドも枕も、綺麗なものが備え付けてあったので、よっぽど神経質な方でなければ、利用できると思います。
クミコハウスは‶格安ゲストハウス‶です。
一般的な日本人が利用する様なホテルは、2000ルピー以上のインドではミドルクラスか、ハイクラスに該当します。
その為、クミコハウスの利用者は値段優先のバックパッカーや、3ヶ月~半年等の長期滞在者が多いです。
その日は就寝して翌朝、私は女性が大声で何か言っている声が聞こえました。
同室の方が私に
「あれ、聞こえます? ほら言っているでしょ」
私は何を言っているのか耳を澄ませて聞いてみると
「アーサーゴーハーンダーヨー!」
私はクミコハウスで朝食が出る事を知らなかったので、聞いてみると
100ルピー(150円)との事でした。
私はすぐに1階まで降りて行くと、朝食メニューは予想外でした。
ガーリックパスタに、フライドライス、豆カレー、サラダにトースト、ジャム、チャイまで有りました。
しかもこれら全て食べ放題です。
100ルピーでこれだけのメニューが、食べ放題とは驚きました。
どうやら全てベジタリアンメニューのようです。
味も普通に美味しかったです。
またクミコゲストハウスには、2匹のゴールデンレトリバーが居ます。
ジャッキー。
こちらはルーシー。
また、久美子さんの旦那さんは既にお亡くなりになっています。
久美子さんにはお子さんが居て、娘さんはもう嫁がれて
息子さんは、近くに在るもう1つの別館のゲストハウスを運営していて
たまに元祖である、このゲストハウスにも顔を出すのだとか。
私は残念ながら息子さんには会う事は出来ませんでした。
私はガート沿い散歩するのが日課で、散歩から帰ってくると久美子さんとお話をする機会が有りました。
久美子さんは元々、人と話すのが得意ではなく、この仕事は仕方なく続けているのだとか。
ゲストハウスを始めた頃は、沢山の日本人が来て毎日とても忙くて、当時は朝食だけでなく、昼食や夕食も出していて、まだ若かった久美子さんは、お客さんの方が年上な事が多く、なにかとせかされたりして大変だったとか。
また他の記事でも書かれていた
(久美子さん家族が、旅行に出かけている間、家を留守にすると泥棒が不法占拠してしまうので、知り合いの医者の家族にその間住んでもらっていた所
久美子さん家族が帰ってきたら、その医者の家族が出て行ってくれず、引っ越し代を支払って何とか出て行ってくれた)
という、とても漫画の様な逸話の事を聞いてみたところ
「あの時は大変だったよ」と仰っていました。
またバラナシのゲストハウスの仕事は、オンシーズンが短くて大変なんだと仰っていました。
具体的には11月~3月(乾季)がベストシーズンで
4月~6月(酷暑季)では、日中には45度まで行くほどの酷暑になるとか。
ドミトリールームにはエアコンが無いので、日中には部屋に居られない程暑いのだとか。
また7月~10月(雨季)では、大量の雨が降りガンジス川の水位も上がってしまい、階段下の川岸まで全て水没してしまうのだとか。
その為に、オフシーズンでは観光客がほとんど来ず、オンシーズンにまとめて稼がなくてはならないのだそうです。
ちなみに今、このバラナシはインド政府の区画整理の対象地区になっていて、インド政府からこのゲストハウスの不動産関係の資料を出す様に言われているそうです。
毎日息子さんが弁護士の元へ行っては、書類を作成して持って行政機関に行っているのだとか。
またインド政府は久美子さんに、何故駐車スペースが無いのだとか、不動産を購入した時の物件周辺の地図を出せとか、無理難題を言って来るのだとか。
久美子さんによると、現在のゲストハウスの購入時に地図なんか貰っておらず、こんな狭い路地に駐車場も何も、そもそも車が入る事が出来ない。
という鋭い返答に私は納得しました。
どうやらインド政府は目をつぶる代わりにお金を払え、という袖の下が欲しいのではないかと勘繰ってしまいます。
また現在ガンジス川から、ゴードウリャーまで出る道路を大規模工事していますが、その際に何件かの家が拡張工事の際の、撤去の対象になっていて、既に家を幾つかを撤去したのだとか。
こうしてみると、バラナシも今後数年で綺麗で快適な観光地へと、変わっていくのかもしれません。
30年以上も、バラナシでゲストハウスを運営し続けている久美子さん。
これからも末永く、元気でいてくれる事を願っています。
▼ 次の記事はこちら
インド バラナシ 伝説の久美子ハウス 2 急病のゲストに付き添い編
最後に、久美子ハウスの部屋代は以下です。
ドミトリー200ルピー(300円)
シングルルーム500ルピー(750円)
ダブルルーム700ルピー(1050円)
各部屋朝食100ルピー(150円)
(※ 2020年時点)
初めまして 個室希望なんですが 久美子ハウス 予約できるんでしょうか?検索してもでてこなくて
30年以上前 スマホない時代は直接空き確認だったので・・・
昔2か月近くドミ泊してて 体力気力のあるうちにもう一度行きたくて でももうドミ泊の気力はなくて💦個室予約できるならとお尋ねしました よろしくお願いします
久美子ハウスのオンライン予約に関してですが、私も分かりません。
久美子ハウスの利用は皆さん現地に直接行って、部屋が空いていれば泊まるというスタイルが一般的です。
お力になれなくてすいません。