アジアの薬物汚染の実態とは

私はこれまでインド、中国、フィリピン、タイ、ラオス、ベトナム等々様々なアジアの国で滞在してきました。

 

その中で痛感するのが〝薬物の蔓延〝です。

 

アジアで有名なタイ、ラオス、ミャンマーをメコン川で接する

黄金の三角地帯はとても有名な麻薬の生産地域と言われています。

 

という訳で今回はまずフィリピンの麻薬の蔓延の実態を見ていきます。

 

これまであえて情報を発信してこなかったのですが

フィリピンは非常に薬物が蔓延しているアジア圏の国の1つです。

 

フィリピンは新興国の中ではとても成長性が高く、特に人口上昇が激しく積極的に新しい文化を受け入れる国民性で、とても高いポテンシャルがある国の1つです。

 

しかし反面ディープな面を見てきた私からすると、やばい人達が山程居ます。

 

特に薬物汚染で有名だったのがセブにある〝パシル地区〝でした。

(※前回の取材で現在は町は既にクリーンになった事を、私自身が確認しています)

フィリピン 治安最悪とは本当か? パシル地区を取材!

 

しかし現在でも薬物汚染が信じられない位、蔓延している地区があります。

 

ここの具体的な場所は伏せますが、ここの薬物汚染は本当に劣悪で

目を覆いたくなる程信じられない状況です。

 

そこではまだ小さい子供が覚醒剤を売っています。

 

子どもは私にも覚醒剤を見せてきて

「買わないか?」と聞いてきました。

 

それも白昼堂々と普通の路上でです。

もちろんそれを周りの大人も見ていますが、誰も気にする様子はありません。

 

そこでは当たり前のように、覚醒剤の売買が行われています。

 

私がそこで取材している中、私の目の前で女性が薬物の売人から普通に覚醒剤を買っていました。

 

これはその時実際に取引している所を、隠しカメラで撮影した写真です。

 

売人と買っている人の顔も映っているので、隠しています。

あまりにも薬物の取引が当たり前すぎて、まるでコーヒーでも買っているような感じで、麻薬を売人から買っている状況でした。

 

調査した所これはワンパックごとに売られている覚醒剤だそうです。

 

ちなみにこの時の売人も子供です。

 

買っているのは女性で、慣れた様子で麻薬を確認していました。

 

そこの住民は当たり前すぎるこの光景を見て、誰も気にする様子すらありません。

 

私は何でこんなにもその場所で麻薬が蔓延しているのか、取材していくと色々な面が見えてきました。

 

まずはそこの麻薬中毒者も麻薬ビジネスの構造的には、被害者の側面があるという事。

また麻薬の売人の元締めがそこで力を持っているという事。

 

そして教育の問題です。

 

フィリピンのような新興国は、まだまだ若年層への公衆衛生の啓発が不十分で

早期妊娠、麻薬、喫煙、飲酒、が国中で蔓延しています。

 

特に酷いの貧困地域です。

 

取材を進めていく中で、私がそこで知り合いになった人物に聞いてみると

その人物の親戚も売人をしているらしく、やめるように注意はしているものの、他に良い仕事も無いので、仕方なく犯罪に手を染めているという事でした。

 

しかしこれを見て私はその人物に

「何で警察は捜査しないのか?」と、聞いた所警察は熱心に捜査しているらしく、特に最近は逮捕者が毎月のように出ているのだとか。

 

しかしこの取材を進めていく中で、非常に悲しい現実が浮き彫りになってきました。

それはこの麻薬ビジネスは、とても巧妙で子どもが麻薬の売人をしているのは、警察に捕まっても子どもなら法律上、未成年なので一般に適用される麻薬の売買に関する罪状では罰する事が出来ないのだとか。

 

親はそれを百も承知で、子どもに麻薬の売買をさせているという事でした。

 

警察が子どもを逮捕してその親元へ行った所で、親は麻薬を所持していないので子どもはすぐに解放されて、その繰り返しが行われているという事でした。

つまり子どもは児童労働、麻薬の売買、という劣悪な状況で働かされているという事でした。

しかし勿論全てのケースが同様ではなくて、中には親は子どもが麻薬の売買をしている事など知らずに、子どもが小遣い稼ぎでやっているケースもありました。

 

つまり実際にはこういった犯罪もグラデーションがあり

10人居れば10個の違った状況が背景にはあります。

 

ちなみにフィリピンの麻薬環境は2016年に大きな転機を迎えました。

それはドゥテルテ大統領の就任です。

 

彼の強力な手腕によって町中の売人を、一掃するべく様々な取り組みが行われました。

特に麻薬の取り締まりをする警察に対して、強力な権限を与えた事によって沢山の麻薬の売人が投獄されたり、その場で銃撃で死亡したりしました。

なんといってもドゥテルテ大統領は公式に、麻薬の売人を射殺を認める発言をしており、当然の事ながら警察にも射殺の権限を与えています。

その為、麻薬関連の犯罪者が刑務所や留置所に移送されて、この頃からフィリピンの刑務所は、とんでもない過密な収容者を抱えるという問題も生まれました。

またドゥテルテ大統領は麻薬撲滅対策の一環と思われる、売人に対する暗殺事件が多発してドキュメンタリー動画が製作されたりもしました。

これは警察及び、警察関係者などのヒットマン(暗殺者)が、予め知りえた売人の情報を元にその人物を急襲して、殺してしまうのです。

しかし問題なのはこの売人に対する暗殺で、多くの冤罪被害者を生んでしまった事です。

中には普通の運転手や、何の関係もないただ顔が容疑者と似ていただけの、何の罪も無い人間が暗殺されてしまい、その遺族は路頭に迷ってしまう事もあったのだとか。

これには流石に世界からはドゥテルテ大統領に対する、犯罪者に対する人権侵害だ、という声も叫ばれる事もありました。

 

いくら麻薬の売買に手を染める犯罪者でも

秘密警察が〝彼らを銃殺しても構わない〝 なんていう事は世界的に見たらとんでもない行為です。

犯罪者にも人権はある訳なので、裁判の手続きも踏まずに殺してしまうなんていうのは、先進国の人間からするととても理解の限度を超えた行為です。

一説にはドゥテルテ大統領が就任後、6千人近くの麻薬関係の容疑者が銃殺されたのだとか。

 

という訳で今回は本当にディープなアジアのレポートでした。

またこの手の取材はリスクが大きく、私もフィリピンではこの辺の取材からは手を引いています。

フィリピンではあまり犯罪や警察関係者に近づきすぎると、本当に簡単に殺されてしまいます。

信じられないかも知れませんが、フィリピンでは警察官が外国人に犯罪を偽装して、示談金を取るという手口が横行しています。

なので一般の方はフィリピンに行っても、絶対に麻薬関連の事には首を突っ込まないようにしましょう。

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