バングーラッシーという言葉を聞いた事が有るでしょうか?
これはインドで売られている、合法の大麻飲料の事です。
(アッサム州では違法)
ちなみにインドでも大麻は違法です。
(※オディーシャ州は合法)
何故インドで違法な大麻の主成分である
THC(テトラヒドロカンナビロール)が多く含まれている
バングーラッシーが合法なのかと言うと、これには深い理由があります。
インドの様な保守的な国は、宗教儀式等に関しては未だ非常に重要な行事と捉えています。
特にホーリー、シヴァラトリと言った大きなお祭りの際に、精神を高揚させる為に、大麻は大昔から使用されてきました。
ちなみにシヴァラトリの日は、お寺などで
バングーラッシーが無料で提供される事が有ります。
バングーラッシーを法規制してしまうと、お祭りの際にも使用できず
8割がヒンドゥー教徒のインドでは、とても大きな反発が予想されるからです。
そんな社会背景が有るインドだからこそ成り立っている
ダブルスタンダードがバングーラッシーの存在と言えます。
そして今回は、大麻を実際に使用している人と同席しての取材や、大麻の売人との接触、大麻草の場所への取材等
様々な観点から大麻の取材をしてきました。
(※ 取材時は日本国内法を順守しており、大麻の使用や所持、売買には一切関与しておりません)
まずはインドで一般的に飲まれている
‶バングーラッシー‶(※大麻入りのラッシー)です。
バングーラッシー。(色は入れるシロップによって異なります)
バングーラッシーとは
● バングー(大麻、ギー、ミルク、スパイス)を混ぜてペースト状にした物、に対して
● ラッシー(ヨーグルトに砂糖と水を混ぜたもの)
このバングーとラッシーを混ぜた物が
バングーラッシーと言う大麻飲料です。
実際にバングーラッシーを提供している
お店のプライスボードです。
このお店ではバングーラッシーをスペシャルアイテムとして
表示されています。
65ルピー(100円程度※2020年3月時点)
これがいわゆる‶バングーラッシー‶です。
インドでは唯一、合法の大麻飲料と言えます。
(※アッサム州では違法)
注文すると店主が作り始めます。
これがバングーです。(大麻入りペースト)
これにフレーバーで味付けます。
味は選べます。
この後ラッシーを入れて混ぜます。
それで出来上がるのが
‶ バングーラッシー ‶です。
では次にバングーラッシーの効果とは?
その辺を解説したいと思います。
私の知り合いと一緒に行って、知り合いがバングーラッシーを飲んで、その後数日間一緒に居ました。
このバングーラッシーについては、正直私の大麻についてのイメージを、悪い意味で覆してしまいました。
知り合いはバングーラッシーを飲んで僅か20分程で、普段はそんなに口数が多くない彼が、急に饒舌(じょうぜつ)になりだしました。
また‶ 世界の心理を見た ‶とか
‶ 世界平和の方法を見つけた ‶ 等、覚せい剤使用者が言いそうな事を言っていたのが、怖くなりました。
また想像以上に飛んでしまう様で、40分ほどすると今度は号泣しだしました。
私が彼に泣いている理由を尋ねると、彼は
「感情が溢れて……」と、どうやら感動して泣いている様な感じでした。
また大麻をやると、味覚が敏感になって食べ物が非常に美味しく感じるらしいです。
彼曰く、大麻をやった後で食べた某有名メーカーの、特大サイズのハンバーガーが一番美味しかったとか。
また大麻をやると急にお腹が空くらしく、その状態の事を
‶ マンチ ‶と言います。
以前彼は大麻を使用した後、マンチになり、特大バーガーを4つも食べたとか。
またバングーラッシーをやると体の安定感を失って、力も入ら無くなる様で
タクシーからゲストハウスに戻る迄の、僅か2分程度の距離を歩くのにも
危なっかしくてサポートが無いと危ないという印象でした。
なのでバングーラッシーをやる時は
なるべく、素面(しらふ)の人と一緒に行って付き添いしてもらうか
部屋に入ってから使用した方が、安全であると思いました。
またこのマンチの時に強い空腹感が去来して、外に買い物に出たくなってしまうので、予め食料を買っておいた方が良いです。
またバングーラッシー特有の効果として、人によっては下痢なども有るそうです。
彼もその後数日間もお腹がおかしくなって、ずーっと下痢が続いてしまいました。
彼はその時風邪も引いていた様なので、どっちの原因かは解りませんが。
ただ、インド人曰く、バングーラッシーは胃腸に悪いという事でした。
私もその意見に関しては全く同感です。
またバングーラッシーには強さを選べる店が有り
ライト (軽い)
ミディアム (普通)
ストロング (強い)
マハラジャ (最強)
と言う風に強さを選ぶ事が出来ます。
これはたんに、大麻が入っているバングーの、量の多さです。
人によって大麻の効き方が違うのですが、初めて使う人はライトから試すのが賢明です。
また個人的にはバングーラッシーはお勧めしません。
それはバングーラッシーを飲むと、多量のアルコールを飲んだ様な、酩酊状態に似た状態になるので
インドの様な治安の悪く、交通状況が危ない国では、思わぬ事故や事件に巻き込まれかねません。
最低でも使用する際は
● 外では飲まない
● 素面(しらふ)の付き添いと行く
等の、最低限のリスク管理をしないと危ないです。
また使用者に聞くと、バングーラッシーの最大の効用は
多幸感が有り朝目覚めた時に、とてもスッキリした気持ちになるという事でした。
ただバングーラッシー事態には、中毒性等は無いようですが、飲んだ時の多幸感や目覚めのスッキリ感を脳が覚えていて、それを求めてしまう事は考えられます。
なので、むやみにバングーラッシーに手を出さずに
普通のラッシーや、バナナラッシー、マンゴーラッシーを飲んでインドの滞在をエンジョイする事をお勧めします。
最後に、昨今成長が著しいアジア圏ですが
その成長に伴い昔の文化が徐々に変化していきます。
実は日本でも‶ ヒロポン ‶(メタンフェタミン系の麻薬)と言う麻薬が
1951年に覚醒剤取締法が正立するまでは合法で、普通に薬局等で売られていました。
また戦時中に軍隊が戦時高揚作用の為に、使用されていたのも有名です。
特に戦後アルコールやタバコ等が不足する中、ヒロポンがその間隙を突くように、使用されて
一時は日本国内に50万人もの、ポン中(ヒロポン常用者の当時の通称)が居て、社会問題にもなっていました。
今の日本では考えられません。
インドが本格的に先進国の仲間入りするような段階に入ると、バングーラッシーも規制対象になる日が来るかもしれません。
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