フィリピンの奇祭 復活祭 2

グッドフライデーのメインイベントである

磔の再現を見るべく、今日のメイン会場へ向かいます。

 

▼ 前回の記事はこちら

フィリピンの奇祭 復活祭 1

 

10分程歩いてメイン会場へと到着しました。

 

会場では磔の台を設営中です。

1000人近い人たちが集まっています。

 

しかしイベントはゆっくりと進んでいて

聴衆の皆さんは厚くてぐったりしています。

この日の気温は軽く35度を超えています。

 

私も取材とは言え、暑くて朦朧としてきます。

 

 

テレビの撮影班も来ていて、クレーンで上空から撮影しています。

この過酷ともいえる暑さの中、キリストの受難を見届けるべく、集まっている皆さんの信仰心には

驚きを通り越して、常軌を逸していると思えてきます。

 

 

設営や演目は中々行われずに30分……40分と

時間だけが過ぎていきます。

 

 

私もこの暑さの中、いつまで自分がこの状況で

待っていられるのか、自信が無くなってきました。

 

 

と、その時周りが騒ぎ始めました!

 

私はいよいよ演目が始まるのか、辺りを見回すと……

うん!?

なんと、演目とは全く関係ない所で

テレビカメラのクルーが熱中症で倒れてしまいました。

 

 

カメラマンは上空8メートル位の所に居るので

落ちたら命の危険が有ります。

 

 

警察で無く、軍が対応しています。

 

 

この暑さでは熱中症になるのも無理も有りません。

 

私自身、半分熱中症みたいになってきています。

 

 

やっと……演目が動き出しました。

磔の台にキリスト役の人が縛り付けられました。

今は赤い布で十字架にキリスト役の人を

縛って固定しています。

磔にされる人が2人に増えました。

3人目が連れてこられました。

 

すると、いよいよこの奇祭と言われる

由縁ともなる儀式が始まります。

ハンマーを持って、足にアルコールで消毒を始めました。

そして鉄製の釘を高々と上げています。

そうです。

このお祭りのメインイベントのグッドフライデーには

実際のキリスト役の人間の手、足に

本当に釘を打ってしまうんです!

 

 

ちょっと私にはとても考えられない

異常な行動ですが、これも信仰心の高さが生んだ

リスペクトの証なのでしょう。

 

やられている方は苦悶の表情です。

 

 

また足に実際に釘が刺さっています。

 

お祭りの為に人にあえて怪我をさせるのは、意味不明な行為ですが

考えてみれば、昔は世界各地で災害等が起きると

生贄と称して、人間の命を捧げていた訳ですから

 

それを考えてみれば、まだかわいい事なのかもしれません。

 

 

いずれにしてもフィリピン人の、信仰の深さには

関心しました。