バジャウ族 取材後記

3週間のバジャウ族の取材を終えて、日本に帰ってきた私は

バジャウ族の人達に、僅かでも力になれればと考えていました。

 

ただバジャウ族は既にIRISフィリピン政府から、大きな支援を受けているので、私の様な弱小者が出来る様な事は無く

ただ彼らの話に耳を傾けて、何か大きな問題が有れば出来る範囲でサポートしてあげたいと思いました。

 

その後もバジャウ族のデンジさんと連絡を取り合っていた私に

後日、彼から助けてほしいと連絡が来ました。

 

それはデンジさんの持っているボートのエンジンが故障してしまい、彼の預金では新しいエンジンを購入するには、十分では無いので、資金を提供して欲しいとの事でした。

 

私は彼の求めに応じて日本から、バジャウ村に滞在中の日本人の預金口座に、お金を振り込んで

その日本人から、フィリピンペソでデンジさんにお金を渡してもらいました。

 

その寄付でデンジさんは新しいボートに使うエンジンを、購入する事が出来ました。

(※大した金額ではありません)

デンジさんが新たに購入したボートのエンジン。

デンジさんは律義にもレシート迄添付してくれました。

13800ペソ。

私が寄付したのはその内

5000ペソ(約11000円)だけです。

 

私はデンジさんに、僅かながらでも協力出来た事に、嬉しい思いと反面

安易にお金の要求をしてくる彼らに、一抹の不安を抱きました。

 

その後少しして、再びお金の要求が有り私は2度目は断りました。

 

その後、その要求は実はデンジさんの携帯電話を、奥さんが使っていたという事でした。

 

いずれにしてもやはり支援というのは、お金を上げるのでは無く

お金を稼ぐシステムを提供したり、技術を与える事が本質的に重要だという事を再認識しました。

 

私は今後もデンジさんや他のバジャウ族の方達と、交流を持っていきたいと思っています。

 

この事をわざわざ記事にしたのには、理由があります。

 

 

それはこれから恵まれない人達を支援しようとしている人達に

安易にお金を上げる事が、決して貧困を解決する本質的な方法にはならない事を知って欲しかったからです。

 

私はユニセフ等に寄付する事に関しては否定派です。

 

それは寄付したお金がどういうプロセスで、本当に困窮者の所にどれ位届くのかが分からないからです。

 

例えばあなたが10万円をボランティア団体に寄付したとして

ボランティア団体の運営には経費が掛かります。

人件費、光熱費、家賃、等です。

 

あなたが寄付した10万円の内、果たしていくらのお金が

どういった形で困窮者に使われるのか?

 

想像した事が有るでしょうか。

 

 

中には募金詐欺をしている怪しい組織も有ります。

 

 

やはり支援というのは、実際にそこに行って僅かでも良いから、直接当事者に寄付したり、教育したり、する事が大事だと思っています。

 

また安易な寄付は、むしろ

困窮者を弱者の状態に留めておく様な結果にもなりかねません。

 

 

いずれにしても私は、何らかの形で

バジャウ族の役に立てれば幸いだと思っています。