さて今回は
フィリピンに詳しい人はもうご存知だとは思いますが
フィリピンにはシングルマザーが多いです。
日本のクラブに出稼ぎに来ているフィリピーナの殆どは
母国の家族に子供を残して来ています。
私もフィリピンに行くと、若い女性で子供が居るのに
旦那は居ないというケースをしばしば目にします。
特に家庭環境が貧困で、教育水準が低い親の子にこういう子が多いです。
ミドルクラス以上のフィリピン人には、こういうケースの女性は少ないように思います。
私が実際に会ったケースでは、私がセブでストリートチルドレンの取材をしている時に、マンゴースクエア付近で
綺麗な若い女性が居ました。
彼女は21歳で近くのショッピングモールに努めているとの事でした。
私は彼女に話を聞いてみると
彼女は19歳の時に、船員の仕事をしている彼氏の子供を妊娠したとか。
しかし彼には既に奥さんと子供が居て、ただの遊びだったとの事でした。
もしこれが日本だったら、妊娠した子をおろして
再び人生をやり直す事が出来ますが
フィリピン人の多くはクリスチャンの為に、中絶は違法で
例え望まない妊娠でも、中絶する選択肢が有りません。
そして彼女は故郷のミンダナオに子供を残して
セブまで出稼ぎに来ているのだとか
しかし妊娠を機に、大学を中退している為に
彼女が付ける仕事は簿給の職に限られ、給料は安く非常に限られた収入の中から、子供の面倒を見ている親元に仕送りをしています。
フィリピンでは日本の様に母子家庭を補助する制度も無く
彼女の人生を見ていると既に、突破口が見当たらないと言った感じでした。
たとえ容姿が綺麗な彼女でも、子持ちである状況の為に
再婚を申し出る男性を探すのも難しいと思います。
それどころか下手をすると、再び同じ様な被害に遭いかねません。
1人の悪い男のせいで、若い綺麗な女性が子持ちの困窮者に陥ってしまっているのは、不憫でなりませんでした。
彼女を妊娠させた男は平気で、元の暮らしを続けていて
彼女はと言うと、男に騙された子持ちのシングルマザー、というレッテルが張られてしまっています。
そんな彼女の話は聞けば聞く程、人生とは理不尽だと感じずにはいられませんでした。
また彼女は非常に真面目な女性で、ナイトクラブ等の仕事はしたくないと言っていました。
また一般的にフィリピン人は
南国気質の為か、開放的でフレンドリーです。
そのせいか妊娠や結婚が非常に速いです。
私の友達がオーナーをしているお店で働いていた
若い男女のスタッフ達は、私が3年振りに再訪してみると
まだ十代だった彼らは、その内3人が結婚して
既に子供が居ました。
私が20歳位の頃なんて、結婚なんか遠い未来の話で、想像もしていませんでした。
しかも彼らの収入は非常に低く、とても奥さんと子供を養っていくには不十分です。
しかしそれでも彼らは結婚に躊躇せず、家庭を持ちます。
もし収入が足らなくなっても、ファミリーの力で
お金を融通し合って、何とか乗り切っていくのがフィリピン流です。
フィリピンでは甥っ子や姪っ子でも、ファミリーがお金を出し合って大学に進学させるのが一般的です。
日本では考えられませんね。
たいした収入のあても無いのに、先に結婚してしまうフィリピン人は、日本人からすると計画性が無く無鉄砲に見えてしまいますが
そんな慎重すぎる日本人だからこそ、現在の様な
晩婚、未婚、少子化となっていくようにも思えます。
また最近、韓国人がフィリピンで女性と付き合って、女性が妊娠すると消えてしまう事象が社会問題になっているとか。
まあこれは韓国人だけに限った事では無く、過去には日本人でも同様な事が社会問題になりました。
"ジャピーノ問題"
日本人とフィリピン人の子供は"ジャピーノ"と言われ
日本に逃げて返っている男性の元へ行って、認知させる
フィリピン女性を助けるNPO団体も有りました。
やはり全ての問題の根源は中絶が許されない、フィリピン政府の方針と、フィリピン人の信仰の深さが
このフィリピンのシングルマザーを量産しているように思います。
かと言って日本の様に安易に中絶できるのも、それはそれで問題も有るのかもしれませんが
父親の扶助が得られない状態で生まれてくる子供の未来も、また過酷なものになる事を考えると、複雑なものが有ります。