今日はニューデリーのコンノートプレースに行って
周辺の公園や街を散策します。
地図で見るとコンノートプレースまでは
そんなに遠くは無いので歩いて行く事にしました。
早速コンノートプレースに向けて歩き始めます。
うん?
何か黒い物が有ると思ったら……
……人でした。
経済発展に伴いインドのこういう光景も
だんだん少なくなっていく事でしょう。
しばらく歩いていると
早速一人の中年の男が私に声をかけてきました。
彼は40代位の小柄で小太りでした。
彼は私に「バッグは前に持った方が良い」
と斜め掛けバッグを後ろにしていた私に
アドバイスをしてくれました。
私はその男に礼を言うと、男は私に歩調を合わせて
自分の事を話し出しました。
彼は、自分はネパール人だと言って
財布の中身のネパール紙幣を私に見せてくれました。
そして仕事はヨガの先生をしているというのですが
でっぷりと出た腹を見ると
とてもヨガの先生には見えませんでした。
ネパール人を強調してくるのは
恐らくネパール人は悪い人は少ないというイメージを
逆手にとっているのでしょうか。
そしてしばらく歩いているとその男が
「そこに政府がやっているツーリストオフィスがあるから
地図を貰った方が良いよ、私がそこまで一緒に行く」
と言ってきました。
私は何だか急に変な雰囲気になったと感じて
断ると、彼は
「そこだ!そこだ!」
と事務所を指さしています。
私は落ち着いてガイドブックの地図と照合していると
その事務所の外に5人位の若いインド人が立っていて
私に事務所に入れと促しています。
私は外からその事務所を除くと
電光板で"DTTDC"と表示してありました。
(DTTDCとは政府運営の観光案内所の事です)
私はニューデリー駅でインド人に次々と話しかけられて
焦って失敗した経験を思い出し冷静になって地図を確認したところ
……やはり違います… …。
本物は駅から歩いてくると
一度右に曲がらなければならず
コンノートプレイスのサークル内には
存在しない事が確認できました。
そう、これは"偽ものだ!"
それにしても随分手が込んでいます。
予想以上です。
もし私が予備知識が無かったら普通に入ってい たに違いありません。
そう考えるとインターネットの情報は本当にありがたいです。
もしネットで情報を得る事が出来なかったら
私も今頃は何らかの詐欺に引っかかっていた事でしょう。
ネットの情報はタイムリーで情報量が多く場合によっては書籍よりも沢山の情報が有る事もあります。
ただ逆に誰でも情報を発信できるので
誤った情報でもそのまま流れてしまう事も有るので
見る側が真偽を判断しなくてはなりません。
いずれにしてもネットの有益性を痛感しました。
元々はコンノートプレースを散策したかった私は
こうなったら何としても
"本物のDTTDC"を見つけたくなって
行ってみる事にしました。
地図とコンパスで場所を照合していると
今度は子供位の小柄な男が私に小声で話しかけて来ました。
「あれはガバメント(政府)のオフィスじゃない。
プライベートオフィスだ」
私は驚いて
「私もそう思った」と言って彼と談笑していると
今度はその男が
「俺の知り合いの店に来ないか?」
と誘ってきました。
こいつもまた同類の詐欺師でしょう。
こうなってくると誰も信用できないなと痛感しました。
事実、海外では誰も信用しないのが鉄則です。
そして本物の"DTTDC"に行く為の
曲がるポイントの交差点まで来たところで
突然14歳位の女の子が私の目の前に来て
笑顔で側転を繰り返し始めた。
気が付くと5歳位の小さな女の子二人が
私の目の前に居ます。
少女達はつぶらな瞳で私をじっと見ています。
一体どこから出来てきたんだと思う暇もなく
少女は則転しながら
「10ルピー! 10ルピー!」
と言っています。
私は内心( 1 0 ル ピー)
は安すぎる、もっと言っても良いだろうと思いながら。
この場でお金を渡すと後から面倒な事になりそうなのでその場から去りました。
恐らくは姉妹だと思われるその子たちは皆可愛かったのを覚えています。
その交差点を右に曲がって五分位歩くと
あっけない位に本物の"DTTDC"が在りました。
ちなみに本物のほうはブロックの塀で囲まれていて
向かって右側に何やら掲示文が二枚くらい有ります。
入り口がゲートみたいな感じでそれをくぐって少し歩いた先に事務所が在ります。
入ってみると私以外に来訪者は誰もおらず
その政府管理の職員の男が1人だけ受付に座ってました
受付の男はやる気が全く無く、スマホをいじっています。
私が「マップをもらえるか?」
と言うと、返事もせずにマップを私の方に放り投げると
再びスマホをいじくりだした。
なるほどこれは酷い。
恐らくは観光客の多くは本物の手前にある
偽物の方のDTTDCに誘導されてしまうのでしょう。
偽の観光案内所も取り締まらない
何ともお粗末なインドの現状を目の当たりにして
首都であるニューデリーでさえ
コンプライアンスが殆ど機能していない事知って呆れてしまいました。
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