フィリピン バジャウ族 滞在記 8 ビサヤエリア偏

さて今日はバジャウ村の外側に隣接している

フィリピン人が住む(ビサヤエリア)を調査します。

 

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バジャウ村 滞在記 7 バジャウ男はお酒が大好き偏

 

 

常夏のフィリピンですから朝起きた段階で

多くの水分を失っています。

 

早速喉が渇いた私は水を探していると

バジャウ村の入り口付近に

ウォーターサーバーを発見しました。

 

使い方はまずボトルをセットします。

そしてお金を入れます。

料金は驚きの1ペソ(2円)

 

1回ボトルの半分ほど入りました。

しかも出てきた水は冷たいです。

 

500ミリペットボトル1本分入れても

たったの2ペソ(4円)

 

SM等で買うと1本10ペソ位なので

いかにバジャウ村付近の物価が安いかがわかります。

 

前回紹介した、早朝等にやって来る

屋台のパン屋さんでは

 

左の大きいパンが5ペソ(11円)

右の小さいパンが1ペソ(2円)

 

つまり大きいパンを1つ、小さいパンを3つ

そしてペットボトルの水を1本分を入れると

合計10ペソ(22円)で1食がまかなえてしまいます。

 

なんという物価でしょう。

 

インドや、中国、タイ、ラオス、等様々な物価を見てきましたが、ここまで物価が安い所は初めてです。

 

恐らく世界1物価が安いのかもしれません。

 

 

さてバジャウ村を出て隣接しているすぐ近くの

ビサヤエリアを歩きます。

 

 

ビサヤエリアの海上の住宅群に入って行きます。

見た感じは海上のバジャウ村(NAVA)

と同じ様な感じです。

この男の子はフィリピン人です。

バジャウ人ではありません。

当然の事ながら、我々から見ると

フィリピン人もバジャウ人も同じ様に見えますが

 

人種や持っている文化背景が全く違い

フィリピン人はバジャウ語は喋れません。

 

そしてフィリピン人は基本的にバジャウ族を、自分達よりも下の人種という、一方的な価値観を持っているのが一般的です。

 

まあこういった事は何処の国でも有る

少数民族に対する差別意識です。

 

かつて日本でさえ、北海道に住むアイヌ民族や沖縄に住む琉球民族を下に見ていた世代が居たのと、同じ構造です。

 

 

ビサヤエリアを進んでいきます。

どういう訳かバジャウ族の家よりも

もっと粗末な作りの印象が有ります。

 

しばらく歩いていると広場の様な所に出て

そこでは若者がバスケットボールをしていました。

ちなみにこの場所は、地上のバジャウ村の海岸から

遠目に見る事が出来ます。

 

 

バジャウ村同様、大きくカテゴリー分けすると

スラムの一帯なのですが、既に文化圏が違います。

 

 

ちなみにフィリピン人はバスケットボールを好みますが

バジャウの人達は、生活圏にバスケットボールをする環境が無かった為か、バスケットボールはしない様です。

 

私が見る限り、バレーボールをよくやっていました。

 

 

ビサヤエリアを歩いているうちに川に出ました。

橋を渡ると、川の外側から

海上のビサヤエリアを確認出来ました。

こうして住宅を見ると

いかにも素人が適当に作ったと言った感じの

バラックです。

 

やはりお金を出して工務店等に依頼して

家を建てるというよりは、適当に資材を集めて

住居の様なものを建てたという事でしょう。

こういった住居の作りが、スラムと言われてしまう

要因であると思います。

 

 

川沿いを歩いているうちに

開けた場所に出ました。

ここではお店も幾つかあり

私は冷たいコーラを買おうとすると、現在冷蔵庫が使えないので冷たいドリンクは無いとの事でした。

 

そしてそのお店の方に取材する事が出来ました。

 

 

彼らはサリサリストアーを経営していて

娘の旦那はSMシーサイドで働いているとの事。

 

そして親戚の人にも取材すると

彼はコールセンターの管理職をしているそうで

給与も他の仕事よりも良いとの事でした。

 

 

またこの地区は昨年の12月に火災が有って

電気設備が壊れてしまい、未だに電気が使えないと言っていました。

 

だから冷蔵庫が使えなかった訳です。

 

 

この取材で分かった事は

バジャウ村に隣接するフィリピンは、皆定職を持っており

我々日本人の様に、貨幣経済に対応しています。

 

また皆学校教育を受けているので、当たり前の様に英語で会話が出来ます。

(私の下手な英語より遥かに上手です)

 

 

ここのフィリピン人にバジャウ族に関しての取材録です。

 

バジャウ族をどう思いますか?」

A(特に問題無い)

 

Q「普段バジャウの人と交流する事は有りますか?」

A「無い」

 

そして私がこの質問をすると、大体皆一様に困った顔をします。

 

そうです、予めジャーナリストと名乗っている私に対して、バジャウの悪口等言いたくはないのです。

 

彼らも

ジャーナリスト=少数民族の味方

こういった図式は、すぐに察しが付いているからです。

 

なのでフィリピン人が持っている、本当のバジャウ族のイメージは、もっと近しい人物、フィリピンの友達等に聞くのが良いと思いました。

 

またフィリピン人はこんなにすぐ近くに住んでいる

バジャウ族と殆ど全くと言って良い程

交流をしないという事も分かりました。

 

 

ちなみに取材していく中で、私が見聞きした

フィリピン人が持っているバジャウ族のイメージは

 

貧しい、物乞い、汚い、臭い、怖い、教育水準が低い

というものでした。

 

もちろん実際のバジャウ族は決して

悪評通りではありません。

 

 

私が感じたバジャウ族のイメージは

とても純粋な人達という印象です。

 

お酒を好み、出来る限り日々を楽しむ平和的な民族。

 

こんな感じです。

 

実際もしバジャウ族が攻撃的で、閉鎖的な民族だったら

ミンダナオ島のアブサヤスとフィリピン政府の様に

大きな軋轢が生まれている筈ですが、そんな様子は見られません。

 

それはフィリピン人の寛容でフレンドリーな気質も影響していると思います。

 

 

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バジャウ村 滞在記 9 バジャウ村に住む日本人偏

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